2025年5月19日午前、兵庫県たつの市新宮町段之上の住宅で、田中澄恵さん(74歳・母)と次女の千尋さん(52歳)の母娘2人が血を流して倒れているのが発見され、その後死亡が確認された。
司法解剖の結果、2人の死亡は発見の6日前にあたる5月13日ごろと推定され、死因はいずれも首を深く刺されたことによるものと判明。兵庫県警は5月21日に殺人事件と断定し、5月24日には元隣人の大山賢二容疑者(42歳・住所職業不詳)の逮捕状を取り、全国に公開指名手配した。
大山容疑者は現在も逃走中で、兵庫県警は情報提供を広く呼びかけている。
この記事でわかること
・被害者・田中澄恵さん・千尋さんについて
・発見時の状況と遺体の詳細
・殺害から6日間、なぜ発見されなかったのか
・指名手配された大山賢二容疑者(42)とはどんな人物か
・「人を殺した」発言を警察が見逃した経緯
・現場に残されたいくつかの謎
・今後の捜査で注目されるポイント
事件概要【最新まとめ】
まずは今回の事件概要を整理する。
【事件概要】
発生日時:2025年5月13日ごろ(遺体発見は19日午前10時半ごろ)
場所:兵庫県たつの市新宮町段之上 民家
被害者①:田中澄恵さん(74歳・母親)/死因:失血死
被害者②:田中千尋さん(52歳・次女)/死因:出血性ショック死
致命傷:2人とも首を深く刺された傷・防御創あり
凶器:刃物とみられる(現場から発見されず)
指名手配:大山賢二容疑者(42歳・住所職業不詳)
現状:全国指名手配中・逃走中(2025年5月27日現在)
発見時の状況
死亡が確認されたのは、この家に住む田中澄恵さん(74歳・母親)と次女の千尋さん(52歳)の2人。
5月19日午前10時半ごろ、千尋さんの知人から「数日間連絡が取れない」と相談を受けたたつの署員が安否確認に訪れたところ、玄関付近に澄恵さん、1階廊下に千尋さんが血を流して倒れているのを発見した。
2人の上半身にはそれぞれ複数の刺し傷があり、2人とも仰向けの状態で発見された。捜査関係者によると、母親の澄恵さんにより多くの傷があったとされている。
玄関ドアは施錠されておらず、室内には現金の入った財布・通帳・スマートフォンがそのまま残されていた。このことから、兵庫県警は金品目的の犯行ではなく、怨恨やトラブルが動機の可能性があるとみている。
殺害から6日間、なぜ発見が遅れたのか
司法解剖の結果、母娘の死亡は5月13日ごろと推定されており、発見されたのは5月19日。実に6日間にわたって遺体が発見されなかったことになる。
遺体発見のきっかけは近隣住民の通報ではなく、千尋さんの知人が「数日間連絡が取れない」と警察に相談したことだった。
現場がたつの市の山間部に位置する住宅街であること、また母娘の2人暮らしという環境が、発見を遅らせた一因とみられる。普段から外出する姿も見られた母娘だったが、数日間ドアを開けなくても周囲が異変に気づきにくい状況だったとみられる。
地域住民によると、田中さん母娘は「2人で仲良く外出する姿がよく見られた」とのことで、突然の悲報に近隣からは衝撃と悲しみの声が広がっている。
指名手配された大山賢二容疑者(42)とは何者か
兵庫県警は5月24日、田中千尋さんに対する殺人容疑で大山賢二容疑者(42歳)の逮捕状を取り、全国に公開指名手配した。
【大山賢二容疑者の特徴】
年齢:42歳
身長:約160cm
体型:やせ形
髪:黒髪(帽子着用のため詳細不明)
目撃時の服装:黒縁メガネ・黒色キャップ・白色マスク・黒の長袖インナー・グレーの靴・黒いショルダーバッグ
住所・職業:いずれも不詳
所持金:500円(発見時)・身分証なし
被害者との関係——「元隣人」という接点
大山容疑者は約10年前、田中さん母娘の住む民家の南隣にある2階建て民家で、植木職人だった父親や親族と暮らしていた。現在その家は空き家となっており、被害者との面識があったかどうかは現時点では不明とされている。
捜査本部は2人との間のトラブルの有無を調べているが、現時点では具体的なトラブルは確認されていない。
周囲の人物評——「おとなしい青年」
大山容疑者の父親の知人だった近隣住民は「おとなしく、自分からはあまり話さない子だった。子ども会など地域の行事にもあまり参加していなかった」と振り返る。別の近隣住民も「父親が亡くなって造園業を廃業した後、10年ぐらい前にここを出て行った。その後は見たことがなかった」と話している。中学時代は不登校だったとも伝えられている。
42歳・住所不詳——10年間の「空白」
大山容疑者は42歳にして住所・職業ともに不詳であり、10年前にたつの市を離れてから事件発覚まで、どこで何をして生活していたのかが現在の捜査の最大の謎のひとつとなっている。指名手配に使われた顔写真も約9年前のものとされており、現在の容貌との差異も捜査を困難にしている。
「人を殺した」——警察が見逃した告白の経緯
この事件で最も衝撃を与えたのが、事件発覚3日前の5月16日深夜に起きた出来事だ。
高砂市内の歩道で眠っていた男が通行人から通報され、駆け付けた高砂署の警察官が声をかけた。話を聴く中で男は「人を殺した」と発言したが、内容に具体性がなく会話も噛み合わなかったという。所持品を確認しても不審物や血痕は見当たらなかったため、署員は身元を確認した上でたつの市内の実家付近まで送り届けた。この男が大山容疑者だったとされている。
県警地域企画課は高砂署の対応について「現時点で問題があったとは捉えていない」と説明し、「殺人事件が認知前で、外見的に不審点がなかったことなどからやむを得ない対応だった」としている。
元兵庫県警刑事部長の棚瀬誠氏も「具体的な内容を伴わない主張をする人は珍しくない」と指摘しており、当時の対応はやむを得なかったとする見方がある一方、SNSでは「なぜその場で確認しなかったのか」という声も多く上がっており、警察の初動対応について改めて問われる事態となっている。
現場に残されたいくつかの謎
凶器が現場から消えている
2人の首には深い刺し傷があり、刃物による犯行とみられているが、現場の民家から凶器は発見されていない。容疑者が持ち去ったとみられており、その発見も捜査の重要な鍵となっている。
元警視庁刑事の吉川祐二氏によると、凶器が現場にない場合、「犯人が計画的に持ち去った可能性」と「逃走経路の特定につながる手がかり」の2点が捜査上の焦点となる。
玄関から侵入し、玄関から逃走
民家のすべての窓は施錠済みか、物品が積み上げられて開閉できない状態だった。勝手口もなく、玄関以外に出入りできる経路はなかったことが捜査関係者への取材で判明している。捜査本部は、犯人が玄関から侵入・逃走したとみて調べている。発見時、玄関ドアは施錠されていなかった。
「金品目的」ではなく「怨恨」か
財布・通帳・スマートフォンが室内にそのまま残されていたことから、金品目的の犯行ではないとみられている。捜査本部は怨恨やトラブルの可能性を視野に入れているが、母娘と容疑者の間に具体的なトラブルがあったとの情報は現時点では確認されていない。
5月25日:現場近くの空き家で物音
現場から約50メートル北の空き家で「物音がする」と所有者の親族から兵庫県警に連絡があり、5月25日午後9時15分ごろ、捜査員約10人が屋内を調査。しかし無人と確認され、大山容疑者の行方は依然不明のままだ。
事件発覚の全経緯を時系列で整理
・5月13日ごろ 母娘が自宅で殺害されたとみられる
・5月16日深夜 大山容疑者が高砂市内の路上で発見・警察官に「人を殺した」と発言するも送り届けられる
・5月17日早朝 容疑者に似た男が現場近くで住民に目撃される
・5月17日 現場付近の防犯カメラに大山容疑者の姿が映る(以降行方不明)
・5月19日午前 千尋さんの知人が相談→安否確認に訪れた署員が遺体発見
・5月21日 司法解剖を実施・殺人事件と断定・80人態勢の捜査本部を設置
・5月23日 田中千尋さんへの殺人容疑で大山容疑者の逮捕状を請求
・5月24日 顔写真・防犯カメラ映像とともに全国に公開指名手配
・5月25日 現場近くの空き家で物音との通報→捜査員が調査・無人を確認
今後の捜査で注目されるポイント
本件は指名手配から間もない段階であり、以下の点について続報が待たれる。
・大山容疑者の早期発見・逮捕
・持ち去られたとみられる凶器の行方
・10年間の「空白期間」の実態
・母娘との具体的な接点・トラブルの有無
・犯行の動機
・逃走経路・現在の潜伏先
引き続き最新情報が入り次第、更新してお伝えする。
現時点でわかっていること(5月27日更新)
・被害者は田中澄恵さん(74歳・母)と千尋さん(52歳・次女)の母娘
・死亡は遺体発見の6日前、5月13日ごろと推定
・死因は澄恵さんが失血死・千尋さんが出血性ショック死
・2人とも上半身に複数の刺し傷・首の傷が致命傷・防御創あり
・凶器は現場から見つかっていない
・玄関以外に侵入・逃走経路なし
・室内に財布・通帳が残っており金品目的は薄い
・大山賢二容疑者(42)が全国指名手配中・現在も逃走中
・容疑者は約10年前の元隣人・住所職業不詳
・動機は現時点で未公表
📞 情報提供:兵庫県警たつの署 TEL:0791-63-0110
※本記事は2025年5月27日時点のNHKニュース・MBSニュース・神戸新聞・時事通信・文春オンライン等の情報をもとに作成しています。捜査の進展により、内容が変わる可能性があります。
